文久元年（１８６１）の日付のある、慕維廉（ W.ミュアヘッド原著 ）『 英国志 』です。初版。全５冊揃い。半紙本。原題箋付き。長門 温知社蔵梓。『 英国志 』には、美濃判全８冊 と 半紙本全５冊の２種類があり、出品の本は後者の版です。　上海在住の宣教師 慕維廉（ ウイリアム・ミュアヘッド ）は、トーマス・ミルナーの書いたイギリス史を漢訳し、『 大英国史 』全８巻を出版。長州藩は、これを入手し、江戸上屋敷にいた藩医 青木周弼に、幕府の許可を得て翻刻することを命じました。青木はその後 萩へ出仕したので、山県半蔵と能美隆庵が翻刻し、文久元年６月に上梓しました。この際、原題の『 大英国史 』を『 英国志 』と変更。版元の「 長門 温知社 」は、江戸上屋敷内の 蘭書会読会の名称です。この本は、わが国で初めて出版された本格的な英国史でした。ミルトンの「 失楽園 」が わが国に初めて紹介されたのも、本書が最初とのことです。　詳しい内容は、写真欄をご覧願います。　サイズはいずれもタテ２２．２ｃｍ×ヨコ１５．３ｃｍ×厚さ０．９～１．４ｃｍ。　いずれも両表紙と背に経年の変色・汚れ・シミ・小はがれ・題箋の小傷み・折れ・折れシワがあります。本文中の保存状態は良好です。初巻の冒頭に蔵書印２個・各巻の冒頭に蔵書印１個が捺してあります。　１６２年前の本ということで、ご理解願います。　ゆうパック６０サイズの着払いでお送りします。　★保存状態の記述は、あくまで出品者の主観的な評価ですので、保存状態にきびしい方は、入札をご遠慮願います。